税金・税務に関するトラブル

個人の損害賠償金等に係る所得税法上の取扱い

1 個人が取得する損害賠償金等は原則として非課税となる 現行の所得税法は、個人が収入等の形で取得する経済的利得を所得と捉えたうえで、人の担税力を増加させる経済的利得の全てを所得として課税の対象とする考え方(包括的所得概念)を採用していると解されています。 …

国税の犯則調査の手続と犯則事件の処分

1 脱税事件の査察調査の実際 法人税や消費税等の脱税事件における査察調査では、強制調査の着手日に、国税局の多数の査察官が、犯則嫌疑者(脱税の嫌疑をかけられている者)の会社や自宅、取引先などの関係各所に事前通知なしで一斉に臨場して捜索を実施し、会計帳簿や関係…

確定決算主義と法人税の申告

1 確定決算主義とは? 法人は、各事業年度終了の日の翌日から2か月以内に、確定した決算に基づき所定の事項を記載した申告書を税務署長に提出する必要があります(確定決算主義。法人税法74条1項)。 ここにいう「確定した決算に基づき」とは、株主総会の承認(会社法…

納税の緩和制度による納税者の保護

1 税金の徴収手続と納税の緩和制度 納税者は、納税義務が成立し申告等により納付すべき税額が確定した税金をその納期限までに納付する必要があります。 納税者が納付すべき税金を納期限までに完納しない場合、税務当局は、納税者に対し納税義務の履行を求める徴収手続に入…

税務調査における反面調査と情報照会手続

1 税務調査による情報収集 税務調査においては、適正かつ公平な課税の実現を目的として、税務当局が法令上の手続を遵守したうえで、課税の根拠となる事実に関する資料や情報を収集することになります。 国税通則法における質問検査権の規定(国税通則法第7章の2)は、税…

収益認識基準と税務訴訟

1 法人税法上の収益認識の判断 法人税法の益金の額に算入すべき収益の額について、これまで税務訴訟で争われてきた争点の一つに、企業の採用する収益認識基準が「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準」(法人税法22条4項・公正処理基準)に適合するかどうか、とい…

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